【統計データ】埼玉県の人口増加率が高い市区町村ランキング！
未来の人気エリアを予測する

「埼玉で家を買うなら、やっぱり浦和や大宮あたりが無難かな…？」そう考えているあなた、少しだけ待ってください。多くの人が知っている人気エリアは、確かに魅力的ですが、価格もそれなり。実は、今まさに埼玉県内で静かに、しかし確実に評価を上げている「未来のスター候補地」が存在することをご存知でしょうか。私、埼玉在住の宅建士として、日々データと現場を見つめる中で、その胎動を肌で感じています。未来の価値は、今の人気ではなく「これからの人の流れ」が創るのです。

[画像：埼玉県の地図を虫眼鏡で覗き込んでいるイメージ]

CONTENTS

【2024年版】衝撃の事実！埼玉・人口増加率トップ5

「百聞は一見に如かず」と言います。まずは、論より証拠。埼玉県の公式データ「埼玉県推計人口」の最新情報（2023年〜2024年の対前年同月比較）を基に算出した、人口「増加率」ランキングを見てみましょう。ここで重要なのは、単純な増加「数」ではなく「率」であること。つまり、街の規模に対してどれだけ力強く人が増えているか、その勢いを示しています。さあ、あなたの予想は当たるでしょうか？

順位	市区町村名	人口増加率（対前年比）	主な要因（筆者分析）
1位	滑川町	+2.15%	大規模商業施設、子育て支援、都心へのアクセス
2位	吉川市	+1.02%	駅前再開発、つくばエクスプレス沿線へのアクセス
3位	戸田市	+0.98%	都心への近さ、荒川河川敷の環境、再開発
4位	八潮市	+0.95%	つくばエクスプレスの影響、物流拠点としての発展
5位	さいたま市緑区	+0.88%	浦和美園エリアの発展、埼玉高速鉄道の延伸期待

出典：埼玉県「埼玉県推計人口（令和6年5月1日現在）」のデータを基に、前年同月比で筆者が増加率を算出。

いかがでしょう。さいたま市や川口市といった巨大都市だけでなく、滑川町のような「町」がトップに躍り出ていることに驚かれた方も多いのではないでしょうか。実のところ、ここにこそ未来の人気エリアを見抜くヒントが隠されているのです。

なぜ人は「滑川町」に吸い寄せられるのか？

さて、堂々の1位に輝いた「滑川町（なめがわまち）」。正直に言って、県外の方はもちろん、埼玉県内でも「どこそれ？」と思う方がいるかもしれません。しかし、この町こそ、今の埼玉の勢いを象徴する存在なのです。かつて私も、お客様から「滑川町の物件ってどうですか？」と聞かれた際、一瞬言葉に詰まった経験があります。完全に私の勉強不足でした。その失敗を猛省し、徹底的に調査して見えてきたのは、偶然ではない、明確な「選ばれる理由」でした。

“森”と”モール”の黄金バランス

滑川町の強みは、何と言っても「国営武蔵丘陵森林公園」という圧倒的な自然環境と、「なめがわ森林モール」や「ベイシア」といった大規模商業施設が両立している点です。休日は広大な公園で子供とめいっぱい遊び、帰りにスーパーで買い物を済ませる…そんな理想的な週末が、この町では日常なのです。都心のように、自然を求めてわざわざ遠出する必要がない。この「職住遊近接」のライフスタイルが、特に子育て世代の心を強く掴んでいます。

宅建士が見る「価格の伸びしろ」という魅力

不動産のプロとして見逃せないのが、その「価格」です。東武東上線「森林公園」駅が最寄りとなりますが、都心の駅近物件と比べれば、まだまだ手頃な価格帯で広々とした一戸建てを手に入れることが可能です。しかし、これだけの人口増加率を記録している以上、地価が今のままということは考えにくいでしょう。つまり、将来的な資産価値の上昇、いわゆる「伸びしろ」が非常に大きいエリアなのです。「今はまだ割安だけど、5年後、10年後には評価が大きく変わっているかもしれない」――そんな未来への投資という側面も、滑川町が持つ大きな魅力と言えます。

急行停車駅だけが正義じゃない！つくばエクスプレス沿線の逆襲

ランキングの2位と4位には、それぞれ「吉川市」と「八潮市」が入りました。この2市に共通するのは、JR武蔵野線や、特に「つくばエクスプレス（TX）」の影響です。かつては「都心までちょっと不便…」というイメージがあったこれらのエリアも、TXの開業によって劇的に変化しました。

[画像：未来的なデザインのつくばエクスプレスの車両]

「秋葉原まで20分」の衝撃

八潮駅から秋葉原駅まで、区間快速で約20分。このスピード感は、もはや「千葉寄り」ではなく「東京隣接」と言ってもいいほどの利便性です。これにより、都心に勤務しながらも、比較的安価な家賃や物件価格で住めるエリアとして、若い世代からの注目度が急上昇しました。私の知るあるITエンジニアは、当初は都内で家を探していましたが、予算の壁にぶつかっていました。そこで私が八潮を提案したところ、「この通勤時間でこの広さの家が手に入るなんて」と即決。今では「秋葉原の職場までドアツードアで40分かからない」と、非常に満足した生活を送っています。これは、従来の路線図だけを見ていては気づけない、新しい価値観の表れでしょう。

人口データから読み解く「未来の優良物件」の見つけ方

ここまで個別のエリアを見てきましたが、重要なのは、この結果から「未来の人気エリアに共通する法則」を学び、ご自身の家探しに応用することです。ただランキングを鵜呑みにするのではなく、その裏にある「なぜ？」を考えることが、賢い不動産選びの第一歩なのです。

注目すべきは、「新しい交通網の開通・延伸」「大規模な再開発・商業施設の誕生」「子育て世代をターゲットにした行政サービス」の3つのポイントです。これらの要素が揃ったエリアは、今後も人口が増加し、街として成熟していく可能性が非常に高いと言えます。ランキング5位のさいたま市緑区（浦和美園エリア）などは、まさにこの典型例でしょう。

よくある質問（Q&A）

人口が増えているということは、逆に人が多すぎて住みにくくなるのでは？

非常に良い視点です。急激な人口増加は、交通渋滞や学校の教室不足といった「成長痛」を伴う場合があります。物件を選ぶ際は、単にエリアの人気だけでなく、道路の整備状況や学区のキャパシティなど、インフラが人口増に追いついているかをチェックすることが重要です。自治体の都市計画などを確認するのも一つの手でしょう。

ランキングに入っていないエリアは、もう将来性がないのでしょうか？

決してそんなことはありません。今回のランキングは「増加率」に焦点を当てたものです。浦和や大宮のように、すでに成熟し、安定した人気を誇る街は、率としては高く出にくい傾向があります。大切なのは、あなたがどんな暮らしをしたいかです。安定とブランド力を求めるなら成熟した街、未来への投資や新しい暮らしを求めるなら成長中の街、というように、ご自身の価値観に合ったエリアを選ぶことが最も重要です。