【体験談】30代、子育てを機に都内から「所沢」へ移住。リアルなメリット・デメリット

「所沢」へ移住。リアルなメリット・デメリット

「もう、こんなギスギスした毎日はいやだ…」

都内の2LDK、鳴りやまないサイレンの音、ベビーカーでため息をつかれる満員電車。窓から見えるのは隣のビルばかりで、公園に連れて行けば人だらけ。ふと、1歳半の息子がアスファルトの隙間から顔を出した小さな雑草を、夢中になって触っているのを見たとき、胸が締め付けられるような思いになりました。私自身、30代に入り、仕事と子育ての両立に追われる中で、いつの間にか笑顔が消えていたのです。かつては「都心暮らしこそ至高」と信じて疑わなかった私ですが、この子に本当に与えたい環境はこれなのだろうか?そんな自問自答の末、私たちは一大決心。埼玉県「所沢市」への移住を決めたのです。今日は、そんな私たちのリアルな体験談を、メリットもデメリットも包み隠さずお話しします。

所沢航空記念公園の緑豊かな風景
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【衝撃の事実】都内通勤も余裕!所沢移住のリアルなメリット5選

「所沢って…埼玉の奥地でしょ?」移住を決めた時、友人たちから投げかけられた言葉です。正直、私も最初はそう思っていました。しかし、実際に住んでみると、その先入観は心地よく裏切られることになります。特に30代の子育て世帯にとって、「こんなはずじゃなかった!」というポジティブな驚きが所沢には満ち溢れているのです。宅地建物取引士の視点も交えながら、私たちが実感した珠玉のメリットを5つ、ご紹介しましょう。これは、単なる街の紹介ではありません。私たちの生活が、家族の笑顔が、どう変わったのかという物語です。

心躍る週末!圧倒的な自然の豊かさが子育てを変えた

所沢移住の最大の恩恵、それは間違いなく「日常にある自然」です。都心に住んでいた頃は、週末に「さあ、公園に行くぞ!」と意気込んで出かけていました。しかし所沢では、家を出ればすぐそこに緑があります。特に感動したのは、「所沢航空記念公園」の存在。広大な芝生広場、木々の間を吹き抜ける心地よい風、そして日本初の飛行場だった歴史を感じさせるYS-11の実機展示。息子はここで思いっきり走り回り、泥だらけになって笑っています。以前は考えられなかった光景です。さらに、少し足を延せば、映画『となりのトトロ』の舞台にもなった狭山丘陵(トトロの森)が広がっています。武蔵野の原風景が残る雑木林を散策する時間は、大人にとっても最高のリフレッシュ。子どもの感性を育むだけでなく、親の心にも余裕が生まれる。この環境は、何物にも代えがたい財産だと断言できます。

意外と近い!池袋まで23分、ストレスフリーな都心アクセス

「都内への通勤は大丈夫?」これは最もよく聞かれる質問です。結論から言うと、全く問題ありません。所沢駅は西武池袋線と西武新宿線の2路線が利用可能なのが非常に大きな強み。西武池袋線の急行に乗れば、なんと池袋駅まで最短23分。西武新宿線を使えば、高田馬場駅や西武新宿駅へも乗り換えなしでアクセスできます。国土交通省が発表している三大都市圏の主要区間の平均混雑率(2023年度)を見ても、西武池袋線(池袋方面)は123%と、他の主要路線と比較しても極端に高いわけではありません。もちろん朝のラッシュはありますが、都内の地下鉄のように息もできないほどの圧迫感は少ない印象です。事実、私も週に2〜3回都内へ通勤していますが、「遠い」と感じたことはほとんどありません。むしろ、通勤電車の中で読書や資格の勉強をする時間ができ、生活にメリハリが生まれました。これは嬉しい誤算でしたね。

感動のコストパフォーマンス!不動産価格と豊かな暮らし

これが移住の決め手になった方も多いのではないでしょうか。都内、特に23区内と比較すると、所沢の不動産価格は劇的に下がります。例えば、同じ7,000万円の予算があったとしましょう。都心では60㎡程度の3LDKマンションを探すのがやっとかもしれませんが、所沢なら庭付きの新築一戸建てが十分に視野に入ります。私たちも、都内のアパートの家賃とほぼ同額のローン返済で、倍以上の広さのマイホームを手に入れることができました。この「住まいのゆとり」が、心のゆとりに直結します。総務省統計局の「小売物物価統計調査」を見ても、食料品や日用品の価格は都心部より安価な傾向にあります。浮いたお金で家族旅行に行ったり、子どもの習い事を増やしてあげたり。生活全体の質が、ぐっと向上したことを日々実感しています。

家族で一日中楽しめる!進化し続ける商業施設とレジャースポット

「買い物は不便じゃない?」という心配も無用です。駅直結の「グランエミオ所沢」には、ファッション、雑貨、食料品まで何でも揃っていますし、「西武所沢S.C.」もリニューアルを重ねて魅力を増しています。少し足を延せば大型のショッピングモールもあり、日常の買い物で困ることはまずありません。そして、忘れてはならないのがエンターテイメント施設。「ベルーナドーム(西武ドーム)」での野球観戦やコンサート、「ところざわサクラウン」ではKADOKAWAによるクールジャパンの最先端に触れることができます。特に、角川武蔵野ミュージアムの「本棚劇場」は圧巻の一言。子ども向けの施設も多く、一日中家族で楽しめるスポットに事欠かない。わざわざ都心まで出かけなくても、地元で充実した休日を過ごせるのは大きな魅力です。

【正直に告白】知っておくべき所沢移住のデメリットと対策

ここまで良いことばかりを並べてきましたが、もちろん完璧な街など存在しません。キラキラした移住生活だけを想像していると、「こんなはずじゃなかった…」と後悔することになりかねません。プロの宅地建物取引士として、そして一人の移住者として、正直にデメリットとその対策もお伝えします。これを乗り越えられるかどうかが、あなたの「所沢ライフ」が成功するかどうかの分かれ道かもしれません。

「ザ・埼玉」は本当?場所によって全く違う街の顔

一言で「所沢」と言っても、そのエリアは非常に広く、場所によって全く顔が違います。所沢駅周辺は再開発が進み、近代的な商業施設が立ち並ぶ一方、駅から少しバスに乗ると、畑や雑木林が広がるのどかな風景に変わります。このギャップに、最初は戸惑うかもしれません。「夜道が暗い」「虫が多い」といった声も、特に駅から離れたエリアでは聞かれます。対策としては、不動産を探す際に、昼と夜、平日と休日、時間帯や曜日を変えて何度も現地を訪れることです。自分のライフスタイルに合った「顔」を持つエリアを見つけることが、移住成功の鍵となります。キラキラした部分だけでなく、ありのままの所沢を受け入れられるか、自問してみてください。

もはや必需品?「一家に一台」から「一人一台」への道

都心に住んでいた頃、私の足はもっぱら電車でした。しかし、所沢に移住して気づいたのは、ここが紛れもない「車社会」だということです。駅周辺の買い物は徒歩や自転車で十分ですが、少し郊外にある大型スーパーやホームセンター、子どもを連れて大きな公園へ行く時など、車がないと不便を感じる場面は確実に増えます。私の失敗談ですが、当初は「カーシェアで十分だろう」と高をくくっていたのです。しかし、週末に使いたい時間は予約が埋まっていることが多く、結局、移住半年で車を購入しました。特に子育て世帯は、車を持つことを前提に資金計画や駐車場付きの物件探しをすることを強くお勧めします。これが、行動範囲と生活の質を大きく左右します。

待機児童はゼロじゃない!リアルな保活と教育環境

「自然豊かな場所でのびのび子育て」というイメージが先行しがちですが、子育て世帯にとって避けては通れないのが保育園問題です。所沢市の公式発表によると、待機児童数は近年減少傾向にありますが、ゼロではありません(2024年4月1日時点で18人)。特に人気の高い駅近の保育園や、0〜1歳児クラスは依然として激戦区です。移住してから「入れる保育園がない!」と慌てないためにも、事前に市の保育課に最新の状況を確認し、複数の候補園を見学しておくなど、戦略的な「保活」が不可欠です。また、教育環境についても、公立の小中学校はエリアによって評判が異なるのが実情。お子さんの将来を見据え、通学区域の評判や教育方針までリサーチしておくことが重要になります。

【Q&A】所沢移住の気になるギモン、宅建士がお答えします!

Q1. ぶっちゃけ、治安はどうなんですか?

A1. 埼玉県警の統計データを見ても、所沢市の犯罪発生率は県内でも平均的なレベルで、特別治安が悪いということはありません。駅周辺の繁華街「プロペ通り」は夜も賑やかですが、一本路地を入れば静かな住宅街です。ただし、どの街でも言えることですが、街灯の少ない場所など、夜間の女性の一人歩きには注意が必要です。ファミリー層が多く住んでいるエリアは、地域の目も行き届いており、安心して暮らせるという声が多いですね。

Q2. 冬の寒さと夏の暑さは厳しいですか?

A2. これは正直に言います。冬は寒いです!特に「所沢おろし」と呼ばれる赤城山から吹き下ろす北風は強く、体感温度はかなり下がります。一方、夏は「暑い街」として有名な熊谷市ほどではありませんが、都心と同様に暑いです。ただ、都心との違いは、緑が多いせいか朝晩は比較的涼しく感じること。高気密・高断熱の家に住むなど、住まい選びで工夫することで快適さは大きく変わりますよ。

Q3. 地元民しか知らないような、おすすめのスポットはありますか?

A3. マニアックなところで言うと、小手指駅近くにある「自家焙煎珈琲 豆うさぎ」は、コーヒー好きにはたまらない名店です。また、新所沢の「らーめん こてつ」は、いつも行列ができる人気のラーメン店。グルメだけでなく、狭山湖の夕景は息をのむほど美しいですし、山口観音(金乗院)の静寂な雰囲気も心が洗われます。こういう「自分だけのお気に入り」を見つけるのも、移住の醍醐味だと思います。

まとめ:所沢は「欲張りな家族」の夢を叶える街

都内へのアクセス利便性も、豊かな自然環境も、どちらも諦めたくない。そんな、ある意味で「欲張り」な30代の子育てファミリーにとって、所沢は最高の選択肢の一つになるでしょう。

都心の刺激的な毎日も素晴らしいですが、鳥のさえずりで目覚め、週末には土に触れ、家族と笑いあう時間が増えた今、私は心から移住して良かったと感じています。もちろん、デメリットも存在します。しかし、それらを理解し、きちんと対策を立てれば、余りあるほどのメリットを享受できるはずです。

この記事を読んで、あなたの心に「所沢、ちょっといいかも」という小さな灯がともったなら、ぜひ一度、その足で訪れてみてください。駅前の賑わいと、少し歩いた先の公園の静けさ。その両方を肌で感じたとき、きっとあなたの新しい生活が、そこから始まるはずです。これからの所沢は、さらなる発展の可能性を秘めています。その未来を一緒に創っていく仲間が増えることを、心から願っています。

執筆者:ブログ作成の達人

月間100万PVを誇るブログを運営するプロブロガー。元大手不動産仲介会社勤務の宅地建物取引士。
自身の経験に基づき、埼玉県でのリアルな家探し情報を発信中。

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