越生・毛呂山の「梅林」と里山ハイキング。自然派アクティブシニアにおすすめの移住先

都心での慌ただしい日々を駆け抜け、ふと立ち止まった時。「これからの人生、どこで、どんな風に過ごそうか…」そんな想いが胸をよぎることはありませんか?私自身、宅建士として多くの方の住まい探しをお手伝いする中で、そんな第二の人生の舞台として、自然豊かな場所を望む声を数多くお聞きしてきました。風が運ぶ梅の香り、鳥のさえずりで目覚める朝、自分の足で踏みしめる土の感触。この記事では、そんな穏やかで、それでいてアクティブな毎日を叶えられる場所、埼玉県「越生町(おごせまち)」と「毛呂山町(もろやままち)」の魅力を、現地を知るプロの視点から余すところなくお伝えします。

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なぜ今、越生・毛呂山がアクティブシニアを惹きつけるのか?

「田舎暮らし」と聞くと、どこか不便で、静かすぎる生活をイメージされるかもしれません。しかし、越生・毛呂山エリアは、そんなイメージを心地よく裏切ってくれる場所です。ここは、都心へのアクセスという利便性を保ちながら、豊かな自然環境と健康的なライフスタイルを両立できる、まさに「いいとこ取り」のエリア。近年、心身ともにアクティブなシニア世代から熱い視線が注がれているのには、明確な理由があります。私が見てきたこの土地の魅力は、単なる「自然が多い」という一言では語り尽くせません。ここでは、多くの人がこの地に惹きつけられる3つの大きな理由を解き明かしていきましょう。

都心からわずか1時間半の「ちょうどいい田舎」

最大の魅力は、何と言ってもそのアクセスの良さです。池袋から東武東上線と越生線を乗り継げば、約1時間から1時間半で到着します。車であれば、関越自動車道の鶴ヶ島ICや圏央道の圏央鶴ヶ島ICからすぐ。この「都心から少し足を延せば着く」という距離感が、移住へのハードルをぐっと下げてくれます。子どもや孫たちが気軽に遊びに来られる距離であり、たまに都心へ買い物や観劇に出かけるのも億劫になりません。完全に都会と断絶されるのではなく、あくまで「生活の拠点を自然の中に移す」という感覚。この絶妙なバランスが、アクティブなシニア世代の心をつかんでいるのです。

四季を肌で感じる、圧倒的な自然の豊かさ

このエリアのシンボルとも言えるのが、関東三大梅林のひとつに数えられる「越生梅林」。2月下旬から3月にかけて、約1000本もの梅が一斉に咲き誇る様は圧巻の一言です。梅の香りに満ちた園内を散策すれば、春の訪れを五感で感じることができるでしょう。また、初夏には「あじさい街道」が彩りを見せ、秋には「黒山三滝」周辺が美しい紅葉に染まります。そして、冬には空気がキリリと澄み渡り、ハイキングコースから関東平野を一望できることも。一年を通して、これほどまでに季節の移ろいを身近に感じられる場所は、そう多くはありません。この豊かな自然こそが、日々の暮らしに彩りと感動を与えてくれる源泉なのです。

「歩く」が日常になる健康的なライフスタイル

越生町と毛呂山町は、ハイカーたちの間でも人気のエリアです。初心者でも気軽に楽しめる「大高取山」から、少し健脚向けの「顔振峠(かあぶりとうげ)」まで、レベルに応じた多様なハイキングコースが整備されています。わざわざ遠出しなくても、思い立った時にふらりと里山歩きに出かけられる。そんな環境が、自然と健康的な生活習慣へと導いてくれます。私のお客様にも、移住を機に夫婦でハイキングを始め、体力が見違えるようについたと喜ばれている方がいらっしゃいます。車通りの少ない道をのんびり散策したり、季節の草花を観察したり。「歩く」ことが特別なイベントではなく、日常の一部になる贅沢がここにはあります。

【写真レポート】越生・毛呂山でのアクティブな一日

では、実際にこの地で暮らすとしたら、どんな一日が待っているのでしょうか。ここでは、ある晴れた日を想定して、移住後のアクティブなライフスタイルを写真と共にシミュレーションしてみましょう。きっと、あなたの理想の暮らしが、より具体的に見えてくるはずです。

午前:梅の香りに包まれて、里山ハイキングへ

朝、鳥の声で目覚めたら、水筒と少しのおやつを持って近所の里山へ。今日は、初心者にも人気の「大高取山」を目指しましょう。整備された登山道を30分ほど登れば、山頂からは越生の町並みや、遠くには都心のビル群まで見渡せる絶景が広がります。木漏れ日の中を歩き、澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込む時間は、何よりの贅沢。下山後は、麓にある梅園に立ち寄り、季節の花々を愛でるのも良いでしょう。こうした時間が、心と体に活力を与えてくれます。

昼:地元の味覚に舌鼓。採れたて野菜が並ぶ直売所

体を動かした後は、お腹も空いてきます。向かうのは、地元の農家さんたちが丹精込めて育てた野菜が並ぶ「JAいるま野」の農産物直売所。スーパーでは見かけないような珍しい野菜や、朝採れの新鮮なきゅうり、トマトが驚くほどの安さで手に入ります。今日の昼食は、この土地の名物である美味しいお豆腐屋さんで買ったざる豆腐と、採れたての野菜で決まり。食卓が豊かになることは、日々の暮らしの満足度に直結します。自分で育てた野菜を食卓に並べる、そんな夢もここでは叶えやすいかもしれません。

午後:趣味に没頭する時間。温泉、そして地域交流

午後は、それぞれの趣味の時間。庭いじりが好きな方は、ホームセンターで花の苗を選び、ガーデニングに精を出すのも良いでしょう。このエリアは比較的土地が安いため、庭付きの一戸建ても夢ではありません。少し疲れたら、日帰り温泉施設「ゆうパークおごせ」へ。露天風呂に浸かりながら里山の景色を眺めれば、心身ともにリフレッシュできます。また、地域の公民館では様々なサークル活動が行われており、共通の趣味を持つ仲間を見つけることもできます。こうした地域との繋がりが、移住後の生活をより一層豊かなものにしてくれるのです。

シニアの移住、現実的な視点でのチェックポイント

素晴らしい魅力にあふれる越生・毛呂山エリアですが、移住を成功させるためには、現実的な視点での確認も欠かせません。特にシニア世代にとっては、医療や日々の買い物といった生活インフラは重要なポイントです。ここでは、安心して暮らすために事前に知っておくべき情報を、比較表も交えながら具体的に解説します。

医療・買い物・交通のリアル

アクティブに過ごすためにも、いざという時の医療体制は気になるところ。毛呂山町には、先進医療を担う「埼玉医科大学国際医療センター」があり、高度な医療が身近にあるという安心感は絶大です。日々の買い物についても、ヤオコーやいなげやといったスーパーマーケットが点在しており、不便を感じることは少ないでしょう。ただし、店舗が駅から離れていることも多いため、車があった方が格段に便利なのは事実です。車の運転が難しい場合は、町内を循環するバスの路線や時刻表、タクシー会社の連絡先などを事前に調べておくことが重要になります。

項目越生町毛呂山町ポイント
主要な医療機関町内にクリニック多数、近隣に大型病院埼玉医科大学病院、埼玉医科大学国際医療センター毛呂山町には大学病院があり、高度医療へのアクセスが抜群。
主な買い物施設ヤオコー、ベイシア、農産物直売所いなげや、ヤオコー、農産物直売所日常の買い物に困ることはない。新鮮な地場野菜が手に入りやすい。
公共交通JR八高線、東武越生線、町内循環バスJR八高線、東武越生線、町内循環バス両町とも循環バスが運行。本数は限られるため、時刻表の確認は必須。

気になる冬の寒さと雪

「埼玉とはいえ、山に近いから冬は寒くて雪も多いのでは?」という質問をよく受けます。確かに、都心と比べれば冬の朝晩の冷え込みは厳しくなります。しかし、雪に関しては、秩父のような山間部ほど多く降るわけではありません。年に数回、うっすらと積もる程度で、大雪で生活が麻痺するようなことは稀です。とはいえ、坂道も多いため、冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)は用意しておくと安心です。薪ストーブのある家に憧れて移住される方もおり、冬の寒さを楽しみに変える暮らし方も素敵ですね。

購入前に解消!越生・毛呂山移住Q&A

Q1. 車の運転ができないと生活は難しいですか?

A1. 正直に言うと、車があった方が格段に便利です。しかし、不可能ではありません。駅の近くに住居を構え、町内循環バスやタクシーを上手に利用することで、車の運転なしで生活している方もいらっしゃいます。また、最近ではネットスーパーや食材の宅配サービスも充実しています。物件探しの際に「駅から徒歩圏内」「バス停が近い」といった条件を重視すると良いでしょう。

Q2. 地域の人たちと、うまくやっていけるか不安です。

A2. 移住者に対して温かく、おおらかな雰囲気のある地域です。特に、ハイキングやガーデニング、地域のイベントなど、共通の趣味を通じて自然な形で交流の輪が広がることが多いようです。まずは地域のイベントに顔を出してみたり、直売所でお店の人と会話してみたりと、小さな一歩から始めてみてはいかがでしょうか。焦らず、ゆっくりと地域に馴染んでいく気持ちが大切です。

Q3. 移住支援のような制度はありますか?

A3. 両町とも、子育て世代向けの移住・定住支援策が中心ですが、空き家バンク制度などを設けています。町のホームページで最新情報を確認したり、役場の担当課に直接問い合わせてみることをお勧めします。物件探しのヒントや、地域に関する有益な情報が得られる可能性があります。

まとめ:第二の人生は、里山の風を感じながらアクティブに

越生町と毛呂山町での暮らしは、ただ静かに時が流れるのを待つスローライフとは少し違います。それは、自らの足で里山を歩き、自らの手で土を耕し、心と体を動かしながら、自然の恵みを全身で享受する「アクティブライフ」です。

都心へのアクセスという安心感を持ちながら、四季の移ろいを肌で感じ、健康的な毎日を送る。この記事を読んで、そんな暮らしに少しでも心が動いたなら、ぜひ一度この地を訪れてみてください。

特に、「自然の中で体を動かすのが好きで、これからの人生も健康的に過ごしたい」と願うアクティブなシニアの方、そして「都会の便利さも手放したくないけれど、日々の暮らしは穏やかな環境で営みたい」と考える方にとって、越生・毛呂山は、まさに理想の舞台となる可能性を秘めています。梅の香りが漂う季節に、ハイキングがてら訪れてみてはいかがでしょうか。きっと、画面越しでは伝わらない、心地よい風があなたを迎えてくれるはずです。

執筆者:ブログ作成の達人(埼玉県在住 宅地建物取引士)

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