埼玉不動産購入の達人ブログ

【歴史好きへ】川越・行田・岩槻。埼玉の歴史を感じながら暮らせる街の不動産選び

歴史という名の羅針盤を手に、あなたの住むべき街を探す旅へ

時の鐘の音を聞きながら朝を迎え、週末は忍城の堀跡を散策する。そんな、歴史の教科書に描かれた風景の中に溶け込むような暮らしに、憧れを抱いたことはありませんか？私が愛する埼玉県には、そんな歴史好きの心を鷲掴みにする、魅力的な街が点在しています。

かつて武蔵国の中心地として、また江戸を守る要衝として、数々の物語の舞台となってきた埼玉。今回はその中でも特に個性の光る「川越」「行田」「岩槻」の三都を取り上げ、それぞれの歴史的魅力と、そこで暮らすためのリアルな不動産選びのポイントを、宅建士の視点から紐解いていきます。

CONTENTS

あなたはどの時代のロマンに浸る？埼玉三大歴史都市の魅力

一口に「歴史の街」と言っても、その時代背景や文化は様々。まずは、それぞれの街が持つ独自の歴史の香りを感じてみましょう。

小江戸「川越」- 江戸の活気が息づく商人の街

言わずと知れた埼玉が誇る観光都市、川越。その魅力は、何と言っても江戸時代の面影を色濃く残す「蔵造りの街並み」です。新河岸川の舟運によって江戸との交流が盛んだった川越は、「江戸の台所」として大いに栄えました。その繁栄ぶりが、「小江戸」の名の由来です。街のシンボル「時の鐘」が今も時を告げ、一歩路地に入れば「菓子屋横丁」から甘い香りが漂う。そんな、五感で江戸を感じられる街です。

黒漆喰の商家が並ぶ街並みは、まるで江戸時代へのタイムスリップ

古代と近世が交差する「行田」- 古墳と足袋蔵の街

行田の歴史は、さらに深く、雄大です。5世紀から7世紀にかけて造られた9基の大型古墳が群集する「さきたま古墳群」は、古代この地を治めた豪族の力を今に伝えます。そして時代は下り、戦国時代には石田三成の水攻めにも耐えた「忍城」がその勇姿を誇りました。近代に入ると「足袋」の一大産地として栄え、その面影は重厚な「足袋蔵」として街の随所に残っています。古代から近代まで、幾層にも重なった歴史の地層を感じられるのが行田の魅力です。

「浮き城」の伝説が残る忍城。その歴史に思いを馳せる

人形と城下町の薫り「岩槻」- 職人文化が根付く街

さいたま市岩槻区は、室町時代に太田道灌によって築かれた「岩槻城」の城下町として発展しました。江戸時代には日光御成街道の宿場町としても賑わい、その過程で生まれたのが、全国的に有名な「岩槻人形」です。街道を通じて江戸から職人が移り住み、人形作りの技が根付いたと言われています。今も街には人形店や工房が点在し、優美な人形たちがショーウィンドウを飾る。そんな、武士の歴史と雅な職人文化が融合した、落ち着いた風情のある街です。

精巧で美しい岩槻人形は、街が誇る伝統工芸です

【ライフスタイル別】歴史の街での不動産選び

さて、それぞれの街の魅力が分かったところで、次は「暮らす」という視点で不動産選びのポイントを見ていきましょう。

川越で暮らす – 「観光地の賑わい」と「都心への利便性」を両立

不動産の特徴：東武東上線、西武新宿線、JR川越線が乗り入れ、都心へのアクセスは抜群。駅周辺にはマンションも多く、利便性は高いです。一方で、「蔵造りの街並み」周辺は景観条例により建築に制限があるため、物件は希少で高価な傾向にあります。狙い目は、歴史地区から少し歩いたエリアの中古戸建てやリノベーション向き物件。自分好みに改修し、歴史散策を日常にすることができます。

こんな人におすすめ：都心への通勤は必須だけど、休日は歴史的な街並みでの食べ歩きやカフェ巡りを楽しみたい。そんなアクティブな歴史好きにぴったりです。

行田で暮らす – 「広大な土地」で「悠久の歴史」に思いを馳せる

不動産の特徴：3市の中では土地価格が比較的リーズナブルで、広い敷地の戸建てを手に入れやすいのが最大の魅力。家庭菜園やガーデニングを楽しみながら、ゆったりと暮らすことができます。物件によっては、趣のある「蔵」が付いていることも。JR高崎線や秩父鉄道の駅からは距離がある物件も多いため、車中心の生活が基本となります。

こんな人におすすめ：都会の喧騒から離れ、古代史や城郭の歴史にどっぷり浸りたい方。広い家で、自分のペースでスローライフを送りたい方に最適です。

岩槻で暮らす – 「さいたま市の利便性」と「城下町の風情」を享受

不動産の特徴：さいたま市の一区であるため、行政サービスが充実しています。東武アーバンパークラインで大宮駅まで約15分とアクセスも良好。駅周辺はマンションや新しい戸建てが並ぶ一方、旧城下町のエリアには昔ながらの商店や住宅が混在しています。新旧のバランスが良く、多様な選択肢の中から物件を選べるのが特徴です。

こんな人におすすめ：歴史的な雰囲気は欲しいけれど、生活の利便性も諦めたくない。そんなバランス感覚を重視する方や、人形などの伝統工芸に興味がある方におすすめです。

一目でわかる！3つの歴史都市比較表

項目	川越市	行田市	さいたま市岩槻区
歴史テーマ	江戸時代（小江戸）	古代～近世（古墳・城）	室町～江戸（城下町・人形）
都心アクセス	◎（3路線利用可）	△（車が基本）	○（大宮経由）
不動産価格帯	高め	手頃	中間
おすすめライフ	アクティブ・街歩き	スローライフ・探求	バランス・文化体験